安曇野ちひろ美術館

建物

建物概要

名称 :安曇野ちひろ美術館
所在 :長野県北安曇郡松川村西原3358-24
用途 :美術館
開館 :1997年4月
設計者:内藤廣 建築設計事務所
延べ床:2,505㎡
階数 :地上1階

北アルプスの山々を臨む、安曇野の田園地域に立つ美術館です。
日本の原風景のような、のどかな地域でした。

絵本画家”いわさきちひろ”さんを始め世界の絵本画家の作品が展示されており、2代目館長は”黒柳徹子”さんです。”黒柳徹子”さんの自伝的小説”窓際のトットちゃん”は”いわさきちひろ”さんの挿絵が使用されています。

交通アクセスは「JR信濃松川」駅から徒歩30分、レンタサイクルで15分。
車でのアクセスは「安曇野IC」から、北アルプスを望みながら高瀬川沿いを走る「北アルプスパノラマロード」、そこから田園地域を走る「安曇野スケッチロード」へ乗り換えながら走るのがオススメです。

建物構成
 ちひろ館   1997年4月開館
 世界の絵本館 2001年3月開館

構造は鉄筋コンクリート造ですが、屋根は木の小屋組、壁は珪藻土仕上げと暖かみのある内観でした。終始、小屋組屋根に魅了されました。

エントランス

エントランス。
小屋組屋根と右手の外壁がせり出しており、観覧者を引き入れるデザイン。
凹凸のある外観で、三角屋根のシンプルなシルエットですが外観がべったとしない工夫。

建物内部から小屋組屋根、珪藻土の壁が続いており建物内外の連続性を生み出します。

内観

ミュージアムショップ。奥へと続く小屋組屋根がきれいです。
細かいピッチで登り梁と呼ばれる斜材を入れることで美しい陰影を生み出しています。
トップのアーチも空間の美しさをより感じさせます。

天井は小屋組みの”斜”の要素とコンクリートの”水平”の要素を組み合わせ。
空間としても小屋組み部分とコンクリート部分で高低差を生み出しており、その対比が美しい。

展示室前のホール。左手が中庭。
ここでも小屋組みの”斜”とコンクリートの”水平”が。サッシ上のコンクリートの小庇は部屋の奥から手前まで続いています。

ホールから中庭を見る。
小屋組み部分までガラスとすることで、突き抜けるような空まで空間に取り込みます。
芝生・シンボルツリーの緑、サッシ・小屋組・珪藻土の茶、空の青の対比が美しい。

天井は小屋組を活かすため照明器具はありません。法的に必要となる火災感知器、非常照明のみ。ライティングレールを壁面から支持し、スポットライトにより明るさを確保しています。

子供の展示室。
ここだけは空調ダクトが露出。

渡り廊下。(ちひろ館から世界の絵本館)
高さはサッシの高さに揃えて低め。

渡り廊下。(世界の絵本館からちひろ館)
影からもわかりますが、屋根は格子状で見上げると空が見えます。
雨をしのぐというよりも空間をつなぐ役割をします。

渡り廊下の柱の形状はアングル材を4つ組み合わせたような”十”の形状。

世界の絵本館。展示室は撮影禁止の為、ホール部分のみです。
正面の展示室扉の上部には縦格子のルーバーがあり、空調吹き出しを隠しています。この縦格子は”ちひろ館”ではなかった要素。

安曇野ちひろ公園。
美術館周囲に広がる53,500㎡の芝生の公園です。公園内には”窓際のトットちゃん”の世界を再現した”トットちゃん広場”があります。

みなさんもぜひ訪れてみてください。それでは。。

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